近畿大学 理工学部 エネルギー物質学科

細胞分子工学研究

(今野研究室)



Lab for Cellular and Molecular Engineering (Konno lab)

Department of Energy and Materials

Faculty of Science and Engineering

Kindai University

Our interests

We are interested in stem cells – undifferentiated cells that have the potential to give rise to cells that can continue to maintain stem cell property. Stem cells also have the potential to produce/change into fully specialized cells (called "differentiated cells") following intrinsic signaling pathways such as internal clocks and/or extrinsic signaling information. We are now focusing on the mechanism of differentiation of neural stem cells and brain cancer stem cells as model systems to understand how stem cell property is tightly controlled in life and how its abnormality is involved in malignancy in diseases such as cancers. To tackle these questions, we utilize state-of-the-art biochemistry and molecular biology, as well as histology and animal procedures. Among these, we are particularly focusing on the technique of producing monoclonal antibodies by immunizing living cells (called "shotgun approach") as well as on genetic engineering of antibodies to detect, isolate, and remove target cells. We strongly believe that our approach can open up a new window of stem cell biology and of novel medical applications for incurable diseases.

研究内容

ヒトの身体は1つの受精卵から細胞分裂により生み出される60兆個200種類の細胞により構成されています、、、と多くの教科書には書かれています。しかしそれは本当でしょうか?確かに我々ヒトを含む多細胞生物の発生過程では、受精卵が分裂を繰り返しながら「細胞分化」という段階を経て、最終的に非常に多くの異なった種類の細胞が生み出されることが知られています。しかし「細胞分化」というステップを詳細に解析すると、未分化な細胞から最終分化細胞(神経細胞や筋肉細胞など)に至るまでには多くの段階を経ることが近年の研究から明らかになっており、その仕組はこれまで知られているよりさらに複雑であることが想像出来ます。さらに生体内においては、これら多段階で進行する分化プロセスの途中で停止・維持される細胞や、多分化能を持つ「幹細胞」の一部ではあるが、その分化能が限定されている「前駆細胞」と呼ばれる細胞なども存在することが明らかになってきました。また最新の知見では、がん細胞など一部の異常細胞では分化プロセスが「逆戻り」することがあることも報告されています。


我々はこのような生体における複雑な「細胞分化」のプロセスを理解することを目指し、生体における神経幹細胞およびがん幹細胞をモデルとして、「細胞分化」メカニズムの基本原理の解明とその人工制御法の開発を行っています。これらの課題にアプローチする手法として、我々の研究室では最新の生化学的・分子生物学的手法や遺伝子工学的手法を用いています。また、細胞培養や動物個体を用いた実験により、生体内における細胞の分化状態の検出や可視化法の開発も行っています。特に我々がこれまでに開発を行ってきたDNA免疫法やショットガンアプローチと呼ばれる抗体作成法は、生体分子を高精度に検出する抗体の作成手法として高く評価されており、これらのさらなる改良にも積極的に挑戦しています。


我々はこれらの解析・技術開発を通して生命現象を理解し、さらにその工学的応用による生体センサ・デバイスの開発や、がんなど難治性疾病に対する新たな治療法の開発を目指しています。

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主な研究テーマ

・胚性幹細胞や成体幹細胞の分化・未分化を制御する分子機構の解明

・正常細胞やがん細胞の「個性」を検出する分子センサーの開発

・遺伝子工学的手法を基盤とした抗体機能改変技術の開発

・生体分子の高次構造を認識する新規抗体作成法の開発



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研究室における学生指導

私がこれまでに携わってきた研究は純粋基礎科学が中心でしたが、多くの学生と接する中で私が常に実感したのは、基礎研究の医学的・工学的応用という話題に目を輝かせる学生達の姿でした。自分の学んでいることと社会の接点を具体的に理解してもらうことは、学生の知的好奇心を刺激する最良の方法の1つであると強く感じています。そこでこれらの経験を踏まえ、以下の4つのキーワードを基礎とし、学生の個性を伸ばしつつ社会ニーズにあった人材育成を目指します。

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  • 個性・自主性の尊重

  • 論理的思考力と自己学習力の養成

  • 好奇心の刺激と自尊心の向上

  • “モノづくり”を通した実践力育成

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これらのキーワードは至極単純なものですが、近畿大学における建学の精神である「人格の陶冶」および「実学教育」を体現するうえで必須の要素であると考えます。これらを基盤として、他の教員と積極的に連携・協力しながら、人材育成を担う知の拠点形成のさらなる発展を目指します。